日本ではプラモデルに用いる塗料としては未だ1番に挙げられる存在。
水性塗料の進化で、水性塗料に流れるユーザーも多い中根強いファンが多く、利用できる色も豊富。
環境
ラッカー塗料を扱うには部屋の換気は当然のことながら、防毒マスクを使用することが望ましい。
本格的な防毒マスクのほうが快適に使用できる。
写真は自分の愛用品であるが、全く苦しくなく、違和感も少ない。
できれば、スプレーやエアブラシを使わない場合でも塗装ブースなどを使い排気設備を導入するのがベターである。
希釈
塗料の基礎知識のページでも述べたが、ラッカー塗料とは文字通り、速乾性塗料である。このため製造されたときからすでに揮発し始める。それがメーカー→問屋→小売店と流れて来て、私達の手元に届くわけだ。悪いことに、店頭にどれぐらい並んでいたかもわからない。
このような事情があるので、ラッカーには希釈が必要不可欠なのだが、初心者の方から”希釈率”を尋ねられとしても、正確には答えられないのが実情だ。その上塗装してる最中にも揮発は進む。適切な濃度を保つ意味でも、塗装中に希釈し直すのは当たり前だ。
筆塗り派なら、筆を塗料皿につけたときに「硬いな…」と思ったら、少し希釈するし、エアブラシ派ならハンドピースを軽く振るなどして、状態を確かめるのは日常的な作業だ。
かの川口名人は「新品なら筆塗りで塗料1に対して、溶剤2割(0.2)程度。エアブラシなら1:1から始める」と目安を提示されてましたが、「あくまでもそこから始める」だけとも付け加えておられました。
自分の場合も似たようなものだが、希釈のし過ぎはパーツ割れを引き起こすのでくれぐれも注意が必要だ。
特徴
重ね塗りの可否など、基本的な解説はこちら
レンタルスペースを利用するのも手
自分はラッカーを使用できる環境にあり、家族の理解も得ている。これはラッカーを使用する上で非常に重要であったりする。
ラッカーは速乾力もあり、塗膜も強い。日本では模型製作に使われる塗料としては、スタンダードの一つだ。ファンが多く歴史のある塗料なので、色数も豊富だ。
その反面、強烈な匂いと有毒性があり、日常生活に支障をきたす塗料でもある。あなたが未成年の場合、匂いや健康被害のことを考え、保護者の方が許可されない可能性は大きい。
どうしても使いたいが家族の同意が得られない場合は、近くの模型店などで塗装スペースをレンタルしているところがないか探してみると良い。
固化しても復活可能
ラッカー塗料は固化しても復活することができる。
真・溶媒液を使う。完全固化している場合でも、最大1:1まで。手順は以下の通り。
- 瓶に適量の溶媒を入れ3日ほど待つ
- 馴染み具合を確認し、塗料がゼリー状になっていれば適正。
- 適正でなければ溶媒を追加する。(1に戻る)
- 適正な状態ならばラッカー薄め液で適切な濃度に希釈する。
溶媒はプラへの侵食力が強いので、入れすぎには注意しよう。
慣れてない人や、よくわからないという人は少量ずつ入れて時間をかけて行うと良い。
※ラッカー塗料でも、一部特殊塗料は復活できない。
湿気には弱い
ラッカー塗料は速乾性塗料と塗料の基礎知識のページで解説したが、その特徴が故の弱点がある。それが”かぶり”という現象だ。
これは空気中にある水分が塗料に混ざってしまい、乾燥後、表面にざらつきができてしまうことで起きる。つまり曇りガラス状態になっている。雨の日にはラッカー塗料は使わないほうが無難である。
修正法は慌てず騒がず、クリアの”光沢”を吹き付けてしまえばもとに戻る。
塗膜が厚くなるデメリットはあるものの、一度修正して、その後つや消しを改めて吹けば、つや消し仕上げも可能だ。