プラモデルに欠かせない工具としてニッパーの次に挙げられるのがヤスリと言えるだろう。プラモ工作には欠かせないアイテムではあるが、様々なタイプが有る。
すべて使う必要はないし、あなたにとって適材適所で使い分けするも良し、といったところ。
概要
揃えておきたい番手
ご存知の無い方がいらっしゃるかもしれないので一応説明すると、ヤスリには番手というものが有り、小さい(若い)ほど粗くよく削れ、大きいほど細かく磨くに近くなる。
自分は240番~10000番まで持っている。しかし、そこまで一気に揃える必要はないと思っている。
作業工程は人により様々であるので一概には言えないが、自分個人としては、初心者は600番、800番と1000番の3つあればしばらくは事足りるのではないか?と思っている。
これで物足りなさを感じるのならば、増やしていけば良いと思う。
百均でも手に入るが…
ヤスリは百均でも手に入るアイテムだ。しかし、木工によるDIYを意識しているのか、粗い番手が多いようである。
紙やすりは問題ないようではあるが、スポンジヤスリ、スティックヤスリに関しては摩耗する感じなので結果的にコスパが悪いように個人的には感じる。
はじめは百均のものでもよいが、よく使う番手は違うものに変えるのも手だろうと思う。
ヤスリの種類
比較的入手しやすいタイプを解説する。
紙ヤスリ(耐水ペーパー含む)
最もスタンダードで、広く愛用者が多いタイプ。
耐水ペーパーでも問題なく空研ぎできるが、ちょっと値段が高め。販売しているところも多く百均でも手に入る。
平面出しやエッジ出しをするときには当て木が必要。
おすすめ度 |
スポンジヤスリ
適度に弾力があり、曲面には向いている。代表がゴッドハンドの神ヤス!であろう。
厚みも2mm、3mm、5mm、10mmのラインナップで販売されている。
10mmのものであれば、人によっては平面出しにも使えるのではないか?と思う。
神ヤス!は湿らせたマイクロファイバータオルやメラミンスポンジでお手入れ可能なので、長持ちするので印象よりもコスパは良い(日頃のお手入れの項参照)。
弾力があるので、エッジを出すには不向きのような気がする。
百均でも最近は売っているが、こちらはお手入れ不可のようだ。
おすすめ度 |
スティックヤスリ
スティック状のヤスリ。waveのものが有名。最近は百均でも売ってる。
言うなればウレタン製の金属ヤスリ。紙やすりのように番手があるので、安心して選べるので初心者にもわかりやすい。
やはり弾力があるので、エッジ出しには不向きかな?
自分はwaveのフィニッシュしか使用していないので、お手入れの可否は不明。(フィニッシュはできない)
おすすめ度 |
金属ヤスリ
プラモデルを続けていく覚悟ができたなら、金属ヤスリの導入を是非検討してもらいたい。
結果的にコスパも良いし、エッジ出し、面出し、とオールラウンダーだ。
番手がよくわからないという不安もあるだろうが、ユーザーレビューを探すなどして自分に適したものを購入してほしい。
力を入れすぎると撓みの原因になり、エッジを削ってしまう。
また、金属なので紙ヤスリ、スポンジヤスリなどより力が伝わりやすく、削れやすい。軽く撫でるように使用すべし。
おすすめ度 |
ヤスリがけの仕方
当て木
紙やすりなどの場合は、図のような”当て木”を使う。平面があるものなら基本何でも構わない。
写真はダイソーで8本100円で売っていたもの。
図は紙やすりを当て木に巻き付けたもの。これをピッタリと当て木に当てて、手で抑えながら使う。
使用中の当て木
真ん中と右は、余っていた百均のカーテンフックを削りつくったもの。
左は1.2mmのプラ板を積層して作ったのも(余計な文字が書いてあるのでノイズを掛けてあるが…)
こんなふうに自分の使いやすいように自作するのも手。
かけ方
番手は徐々に上げていく
ヤスリで削ると傷がつく。この傷を消すために、一つ上の番手で削る。その傷を…と、言う具合に番手を一つずつ上げて、自分の望む表面の状態を得る、という作業になる。
具体的に言うと600番のヤスリで削った傷は、800番で削ると消える。800番の傷は1000番で削って消す。という具合になる。
一足飛びに番手を上げても傷は非常に消えにくいので、手順を踏むこと。
削りの実践
ヤスリは押してかけるのが基本。手の力加減は押す力と引く力は、どうやっても変わってしまうもの。一定の力で削ったほうが平面になりやすく、調子もつかみやすい。
引くときに削ってしまうと、シーソーのように斜めに削ってしまうこともあり、いつまで立っても平面が得られない。最悪、エッジを潰してしまうこともある。
作業時、「力を抜く」というのが今ひとつわからないという方は、下記にそのコツをまとめておいたので参考まで。
ヤスリのメンテナンス
日頃のお手入れ
金属ヤスリ
目詰まりを起こしたヤスリは、マイクロファイバータオルを使ってメンテナスすることも可能。
写真はダイソーで売っているマイクロファイバー使用のフェイスタオル。
こちらの方が優しくメンテナンスできる。
メラミンスポンジを使ってメンテナスすることも可能。
メラミンスポンジを知らない人は、商品名”激落ちくん”といえばわかるかもしれない。
写真はメラミンスポンジのキューブタイプ。自分はこれの愛用者である。
百均でも売っているので入手は簡単だと思われる。
紙やすり・スポンジヤスリ
神ヤス!のようなスポンジヤスリは勿論、たとえ紙やすりであっても完全復活は無理だが、しっかりしているものはお手入れ可能だ。
メラミンスポンジでもメンテできるが、湿らせたマイクロファイバータオルの方がおすすめ。引っかかる感じも少なく優しくメンテナンスできる。
より長持ちさせたい方は面倒がらずに湿らせたマイクロファイバータオルを使おう。
メラミンスポンジを使ってメンテナスすることも可能。
ただ、マイクロファイバータオルを使った場合よりも痛めやすい感じ。
長持ちを1番に考えるか、多少痛めても手軽が1番と考えるかで使い分けしても良いかも
金属ヤスリの酷い目詰まりには
ツールクリーナー
メラミンスポンジでメンテは十分だが、ついメンテし忘れてひどい目詰まりを起こしてしまった場合には、ラッカー系の薄め液やツールクリーナーに漬けるというのもあり。
ワイヤーブラシ
真鍮製のワイヤーブラシもお手入れに使える。
百均などでも簡単に手に入るので、持っておいても良いと思う。
ただ、金属ヤスリを痛めることにもつながるというのは覚えておこう。
頻繁にワイヤーブラシを使うのはおすすめしない。
サビの対処
錆止め
錆止めには錆止め専用の油が効くが、注意が必要だ。最近の防錆油は潤滑油と混合されている物が多く、ヤスリには向かいないものが多い。
また「油はプラに良くないのでは?」と思う方もいらっしゃるだろうが、一口に油と言っても粘度の低いものや乾きやすい等様々ある。
つまり、”潤滑油と混合されていない純粋な防錆油”なら大丈夫、ということになる。
今のところお勧めはこちら。
錆取り
メンテナスをしていても錆びてしまうという場合もあるかと思う。
サビ取りにはこちらがおすすめ(ニッパーにも使えます)。
最後に
参考になるかわからないが、自分の愛用ヤスリに関しては以下のページで紹介している