ミネシマさんがリリースするオーソドックスなキサゲ(TM-19)。奇をてらわない好感の持てるキサゲである。
形状
細いので長く感じるが、一般的なデザインナイフ程度の長さ。
全体がスリムなために、持ち手が細く心もとないと感じる方もいると思う。
そこが気にならない方は、デザインナイフでのカンナがけに慣れてさえいれば、違和感なく入っていけると思われる。
刃
刃厚約2mm。幅が約4mmと小柄なキサゲである。透明なチューブがキャップ代わりに付属。
薄めのグリップなので、印象としては刃厚があるように思えるがキサゲとしては薄い方である。
すべてがコンパクトに収まったキサゲと言える。
切削力
デザインナイフのカンナがけと比べて、やや穏やかかな?という印象だが似たような切削力。切削力という点では持ち変えるメリットもデメリットもない。
デザインナイフでのカンナがけが苦手ならば、相応に慣れる必要はあるかもしれない。雑に行えば引っ掛けることもあるだろう。
余談ではあるが
買った当初、キャップのようなものを外そうとしたら何故かグリップが外れた。しかも、簡単にもとに戻せるぐらいゆるい状態だった。
流石にこれは…と思いメーカーに問い合わせたら”仕様”なんだそうだ。
こちらがメーカーから受け取ったメール。
メーカーもグリップと言っているので、グリップがキャップよりもゆるいのが仕様…(;´∀`)
実際に作業を行うと、グリップから本体が落下してきた。
更に使用5ヶ月後。
グリップ部の表面処理がボロボロ。
同時期に買った他社のキサゲは何ということもない。
ちなみに似たような表面処理をしたヤスリのグリップは2年経た現在も新品同様だ。
総論
刃自体が小型故に用途としてはバリ取り・パーティングライン処理と、限定的と言えるかもしれない。しかし、ちょっと削りたいという気軽な作業には向いている。
相対的な刃厚は確保されているので、デザインナイフなどとは違い作業中に撓むことはない。撓む感じが苦手ならば、変える価値は十分にある。
メーカーからのメールの内容が本当であるのならば、グリップの出来が足を引っ張っているとしか言いようがない。本体である金属部は小回りの効く良いキサゲだと思うだけに残念。ユーザーに工夫を求めるのは昭和の時代なら通用するだろうが、今どきには則さないと筆者には思えてならない。