お持ちの方も多く、正直今更感は否めないのだが、片刃ニッパーの使い方的にレビューを行っていこうと思う。
ちなみに一般的な模型店では圧倒的に右利き用が置いてあるのだが、ちゃんと左利き用というものも有るので、無理せず左利きの方は専用のものを使おう。
使い方
持ち方
- 「片刃ニッパー」は「極力白化させないことを目的としたニッパー」で、白化しないわけではない。
- 「2度切り」はパーツを「きれいに切り取るため」で、白化させないためではない。
この2点はよく理解しておいていただきたい。
右利き用を右手で持っている。
親指と人差指で挟み込むように持っている。
逆側から見た図。
どうしてこんな持ち方をするのか?というと親指側からつながる刃は「まな板刃」であり、こちらは動かないことが前提となっている。親指と人差指でしっかり固定しよう。
この状態から残りの指で、軽く握り込むことで、きれいな断面となる。
パーツに対する角度
よりタイトに切るにはこの角度で、パーツに沿わせて行う。しかし、この角度だと気をつけて行わないとパーツをえぐってしまう。
アルティメットニッパーで切り取ったゲート跡。上のゲート跡は少しえぐれている。
別角度で。この様な感じになるので、気をつけてほしい。
また、稀ではあるがこの様なパーツ中央にゲートがある場合もある。
制作の実情的には、自分はこの角度で使っている。
パーツを傷つける恐れもないし、他のニッパーと比べてゲート処理は早く済む。
デザインナイフを使った場合でもヤスリがけは必要と自分は感じるので、ニッパー2度切りアルティメット使用→ヤスリがけのルーティーンとなっている。
工作向きではない
キレ味鋭いニッパーではあるが、非常にデリケートで工作全般には使えない。
アルティメットニッパーは、ゲートカットに特化して「究極の切り口」を追求したニッパーです。
Φ3mmほどのランナーをスライスカットしてみると、スルスルと刃が入っていき、ほとんど音もなく切り終わります。 (ゴッドハンド公式より)
公式にもこうあるように、基本的にゲートカット専用と理解しておこう。力の入れすぎ、先端の使用などは禁止されている。
他のプラスチック専用ニッパーを用意しよう。
クリアパーツについて
クリアパーツについて一部誤解されているようではある。
最近のクリアパーツには柔らかい物もあるが、通常クリアパーツは他のパーツに比べて硬い。クリアパーツのランナーは切断NG。アルティメットニッパーの刃が欠けてしまう。
しかしゲートカットによるパーツの切り出しは可能。公式に寄ると1mm以下のクリアパーツのゲートはOKなのでどんどん使おう。
アルティメットで切ると切断面が濃くなる?
アルティメットニッパーで切断すると、切断面が濃くなってしまうという場面に出くわすことがある。(写真)
この現象、実はアルティメットのせいではない。
プラモデルは表面上は均一の色に見えても、内部(ランナーの内部など)は色が変わってしまっている場合もある。つまり、成形上の問題で現在の技術では避けられないものである。
ニッパーの使い方や性能の問題ではないので、どうしても嫌な場合は塗装するしか方法がない。
逆に言えば、アルティメットがパーツそのままの状態に限りなく近い、「究極の切れ味」を持つことに嘘偽りがない証拠とも言えるのかもしれない。
ニッパーの切り口が濃くなってしまう(57分50秒頃)
安くはないので1ヶ月に1回ほどはメンテナンスした方が良い。使い始めにもメンテしてから使い始めるのがおすすめ。