パーツをきれいに切り取るためには、方法と道具の2つの面から考える必要がある。道具なんてなくてもプラモデルは作れてしまうからだ。
そして自分が目指す”きれい”とはどんな状態なのか?、が大事。必要もないレベルで処理することを考えれば、面倒くさいが勝ってしまい、プラモデルなんか難しすぎるということになる。、
ポイントは”いかにしてパーツに負担をかけずに切り取るか?”そして”切り口をどう処理するか?”である。
尚、爪切りや普通のニッパーで工作する予定の方は、予めこの文章に目を通してから実行に移ってほしい。爪切りや普通のニッパーで工作する場合の難しさも少し触れている。
ニッパーは下から入れると見やすい
ニッパーは下から入れるほうが視認しやすく、刃がどこを切っているかわかりやすいと思われる。試してみてほしい。
またランナーは平面にはなっていない。段差がある場合も結構あるので、刃の入れやすい方向にして入れるといいだろう。
まずは”2度切り”
初心者に2度切りをおすすめするのは、パーツの破損を避ける意味合いと、その後のゲート跡の処理に手間がかからないためだ。
慣れている方は「2度切りなんてしなくても良い」と言われる方もいらっしゃるが、実際自分ですら2度切りした場合と、1度切りした場合ではその後の処理が変わってくる。
ヤスリがけでゲート跡を処理する自分は、2度切りした場合と1度切りした場合とではヤスリがけの手間が変わってきてしまう。1度切りでは手間がかかってしまうのだ。
そのことを考えるとやはり2度切りがおすすめだ。
1度目
図を見て各名称を覚えてほしい。パーツ、ゲート、ランナーとなっている。
ランナーとは製造工程でプラスチック(主に PS (スチロール樹脂)と呼ばれるもの)が、金型の中を通る道だ。続いてゲート(ピンクの線で挟まれている狭い場所)を通ってパーツを形成するという流れだ。
ここから、パーツだけをきれいに切り取るのが今回のミッション。
図をよく見ると、ピンクの線は平行ではない。この状態でパーツに沿ってきれいに切ろうとしても、他の部分がくっついているとランナー自体が歪んだりするなどして、こじるという状態になってしまう。最悪パーツの破損か白化してしまう恐れがある。
パーツにかかる負担を最小限で済ます方法は、切断面を垂直にかつ最小になるようにすることだ。
そこで、まずはランナーとゲートの間を狙って切り取る。つまりパーツにゲートが付いている状態だ。そうすることで断面が垂直かつ最小になり負担も最小限で済む。
2度目
ここからは、HGUCのボールを作っていく。
これが1度目の結果。自分は愛用のレノマツール のこーるニッパーで切断したので、皆さんの場合とは少し違うかもしれない。「大体このぐらいは残してきろうよ」程度の理解で良いと思う。
のこーるニッパーについては愛用ニッパーのページを参照してほしい。
次はこの状態から、出っ張りを切り取ってしまうわけだ。
ニッパーで切り詰める方とクラフトナイフ(デザインナイフ)で切り詰める方といらっしゃる。どちらでも良いのだが、その際”きれいに切り取ろうとしてギリギリを狙いすぎる”とパーツをえぐってしまう場合が多い。特に初心者の多くが失敗する例なので注意が必要だ。
自分はニッパーで切り取る派なので、アルティメットニッパーを使う。
ニッパーで切り取るほうが怪我の心配もなく、初心者向きだと思う。
自分が切る時の角度はこれ。切り過ぎによるパーツの破損はない。
もっと切り詰める方法もあるが、パーツ破損のリスクが伴う。
できるだけ切り詰めた感じ。
アルティメットを使っても、クラフトナイフを使ってもヤスリがけは必要だと自分は考えているのでこの角度が自分のスタンダードだ。
この段階で、「俺はこれで十分」という方もいるかな?と思われる。そいう方はこれでフィニッシュである。
更に綺麗にしたい方は以下のページに進んでほしい。
パチ組み(仮組み)する
後は説明書通り組み立てれば完成。
後は説明書通り組み立てれば完成。
自分はダボを半殺しにする作業など、多くの作業はこちらを使っている。