世間ではつや消し派、光沢派など派閥めいたものもあるようだが、何か一つに囚われるのも表現の幅を狭めている気もする。
実際、金属のつや消し具合にも様々あり製造過程などにもより、各種艶が変わる。素材が違えばそれこそ全く違っていたりするのだ。
こういったことを踏まえ、完全再現は無理としても1つの光沢に囚われることは、表現として幅を自ら狭めているとも言える。
光沢コントロールの必要性
プラモデルはプラスチックの質感であるのは言うまでもないが、場合によってはプラスチックでできている部品もあるかもしれない。そういうところはそのままでも良いのではないか?とも思う。
ガンプラはSFの世界、つまり現実ではない。”それが何でできているか?”も自分で決めてよいのだ。つまり、”それがどんな光沢を持っているのか?”は現実に則する必要はない。
また、光沢は意外と印象に残るものなので、光沢コントロールで模型のメリハリが付いてしまう。このことからも一辺倒な艶で終わらせるよりも、コントロールしたほうがワンランク上の仕上がりとなる。
光沢コントロールの実践
実際に光沢コントロールしていく上で、具体的な手段であるが、これは大きく分けて、各種塗料を使う方法と、磨くという方法がある。
塗料を塗る
塗料を塗る場合、最も簡単なのが各種コート剤というものをスプレーする場合だ。
GSIクレオスでいうとラッカー系としては Mr.SUPER CLEAR。水性では TOP COAT と PREMIUM TOP COAT の2種。ラッカー系が使える状態であれば3種類。水性しか使えない場合でも2種類の光沢が使える。
これに光沢、半光沢、つや消しと3種類あるわけだから、やろうと思えば9種の艶が、水性だけでも6種の艶が選べるわけだ。更に砂吹きというテクニックを使えばつや消し感を増やすことも可能だ。
ラッカーならばエアブラシ用として豊富に光沢・つや消しがラインナップされているし、水性には添加剤が発売されており、それらを調色するなどして使うこともできるし、小さい範囲であれは筆塗りも可能だ。
またGSIクレオスのものだけでなくタミヤ、ガイアノーツからもコート剤として使えるクリアが発売されている。
これらのようにして、光沢コントロールは可能である。
余談ではあるが透明マニキュアを使うという手もある。しかし、マニキュアはプラや塗料を強く侵食する成分が入っている物がある。必ず、ランナーや同条件下で試してみる必要がある。その際、一週間は経過観察すると、なお良い。
磨く
プラを直接磨いても光沢コントロールはできる。ただし、どこまで行ってもプラはプラである。それでもメリハリが付くのは確かで、素組(パチ組み)派の方には有効な手段と言える。磨くものによって得られる艶が変わるのでいろいろ試してみると良い。
また、塗料によるクリアの吹付け後に磨くと、質感が変わり、特に鏡面仕上げなどには有効だ。ただし磨くというのは削ることである。削る分を考慮し予めクリアをやや厚めに吹いておく必要があることを忘れずに。
注意点として物理的に得られるものである。特にプラに直接施す場合は、手で擦るなどすると、得られた表面はすぐに変化してしまう。
磨く道具については各社様々なものが発売されているが、代表的なものを以下に上げておく。
コンパウンド
研磨剤。液状タイプで販売されている場合も多く、販売元より専用クロスが発売されているケースも有る。クロスを用いて磨き上げ、不織布で拭き取る。ウレタン樹脂コートに鏡面仕上げというカーモデラーに愛用者が多い。
ヤスリの番手でいうと600番ぐらいからあり、20000番相当ぐらいまである。
感覚的なものだが、自分はどうもコンパウンドと相性が悪いので、現在は使うことは無い。
研磨剤付きクロス
研磨剤が予め付いているクロス。
大変申し訳無いが、存在は知っているものの、使ったことがなくよくわからない。
耐水ペーパー(ヤスリ)
いわゆる水研ぎ用の紙ヤスリ。
基本的には水研ぎ用であるが、これを使って空研ぎする方もいらっしゃる。紙ヤスリと同じように各種番手がある。
水中で研ぐメリットは、摩擦熱が起きにくいこと(起きないわけではない)。摩擦熱によるプラの溶解や塗膜の破損が少なくなる。また、耐水ペーパーの目詰まりが起きにくい。
対してデメリットは、研ぎ出した面の視認がし辛いこと。完全な視認は水分を拭き取り、乾燥させなければならない。
ヤスリ各種
紙ヤスリ他、高番手ならば磨くことも可能。
注意点は耐水ペーパーの逆で、摩擦熱によるプラの溶解や塗膜の破損。シャカシャカシャカ…と勢いよくやってしまうと意図した面が得られず、非常に汚い面となる。優しく行うこと。
この点に注意すれば、最も手軽。
ヤスリに関しては以下のページを参照してもらいたい。
メラミンスポンジ
つや消しの表面が得られる。
メラミンスポンジは百均などで”激落ちくん”の名称で売られている。ヤスリのメンテなどに使えるので持っておいて損はないと思う。
ネイルフィル
爪ヤスリ。ネイルの仕上げ用ヤスリも使える。化粧品・生活雑貨売り場、百均などで手に入る。
男性にはやや行きづらい場所ではあるが、奥さん、恋人、幼馴染、ガールフレンドなどに協力してもらえば行きやすくなるかも(笑)
自分は堂々と買いに行ってしまうが、オネェと誤解されているかもしれない。でも最近は、爪を気にする若い男性も増えたし、営業マンなら爪を気にしろというマナー講師もいるので、気にすることはない…のかな?
百均にあるオススメネイルフィルについては下記の記事を参考にし欲しい。